さて、フィレンツェは皮革製品が有名である・グッチもフィレンツェで開業したのだった。そのグッチやフェラガモなどのブランドの店に入るのもいいのだろうが、私が注目したのは自営らしい皮革店である。ブランドものは日本でも手に入る。しかし、ブランドというだけで高額だ。それではつまらない。せっかくフィレンツェに来たのだから、フィレンツェらしい皮革製品なら買っていいかもしれない。そう思って、小さな皮革の店を回ってみる。
それは直感でしかない。ただ、こういう直感はばかにできない。店の雰囲気が何となくいいのだ。品があるというべきか、信頼できる感じがする。店の女性が英語ができるのもいい。そして何と言っても皮革の手触りが素晴らしい。柔らかくて、優しくて、手になじむのだ。「The Bridge」というフィレンツェ生まれのブランドらしいが、私は知らない。知らなくてもいい。触ればその質は分かる。ここで「The Bridge」の財布を買おう。店はPlazza Madonnna Aldobrandini,9-10Rにある「Betty florence s,d,f.」という。
買った財布にはご覧の通り「イタリア製」「本革」の文字が刻印されている。この財布は10年後の今(2007年)も使っており、きれいな飴色になっている。いい感じだ。皮革と縫製がしっかりしているのだろう、10年ずっと使っているのに全くほころびがない。これはすごいことではないか? 日本ではこの「The Bridge」を扱っているところがないようなので、今度イタリア辺りを旅行する機会があればぜひ別の皮革製品を買いたい。
フィレンツェの話に戻そう。街を歩いている時に見かけたのがイノシシの像。お金を入れるところがあり、人々は小銭を入れている。何だこれは? イノシシの鼻がピカピカに光っているのは、みんなが触るのだろう。触ると御利益があるのかもしれない。そう勝手に解釈して私も鼻を触っておいた。